キャリアアップやより良い待遇の職場を見つけるため転職を考えている薬剤師の方は自身の資格や経験について意識したことがあるでしょうか。
アピールポイントとして資格や経験を主張することができれば、有利に転職活動を進めることが可能になります。
以下では、薬剤師の転職に有利となる資格や経験について紹介していきます。
認定薬剤師
認定薬剤師は医学、薬学の特定分野においてハイレベルな知識や経験、技術を持つ薬剤師が薬剤師認定制度を通じて認定されることで名乗ることができます。
認定薬剤師には20を超える種類があるため、得意な分野や希望する転職先に応じて取得を目指していくことになります。
例えば、公益財団法人日本薬剤師研修センターが認定している研修認定薬剤師は、研修機関で4年以内に40単位(年間5単位以上)を取得し申請することで認定を受けることができます。
感染制御認定薬剤師やがん薬物療法認定薬剤師などは実務経験が5年以上など一定の条件を満たさなければ申請を行うことができないものもあるので注意が必要です。
管理薬剤師
管理薬剤師は薬事法に規定されているドラッグストアや調剤薬局などに設置が義務付けられている店舗の責任者です。
管理薬剤師の役割は大きく2つに分けられており、1つは従業員の監督、もう1つは医療品等の管理を行うことになります。
管理薬剤師は資格により認められるものではないため、条件は不要ですが、管理薬剤師の仕事を経験しておくことは転職に有利に働きます。なぜなら管理薬剤師は現場の責任者として様々な知識やスキルを学ぶことができるためです。
従業員を管理監督することで、リーダーシップやスケジュール等の勤務管理をまとめる能力を身に着けることができますし、医療品等の管理ではデリケートな医療品の管理方法などについても詳しく知ることが可能です。
こうしたことから管理薬剤師を経験したことのある薬剤師は転職市場において高く評価されやすい傾向にあります。
在宅医療の経験
在宅医療は日本の進行する高齢化社会の中で地域医療の需要が増加し大きな注目を集めていますが、その中において薬剤師の役割も欠かすことができません。
薬剤師は医療品の提供だけでなく、服薬管理及び指導、副作用のモニタリング、そして患者さんの不安のケアまで幅広く対応できることが求められます。
また、医師や看護師、ケアマネージャーなど他の医療介護に関わる職業の方と情報を密に共有し協力して、患者さんにベストな医療を提供する在宅医療を経験しておくことで、薬局や病院だけでは得られない知識や技術を身に着けることができます。
英語を始めとした外国語資格及びコミュニケーションスキル
英語を始めとした外国語に関する資格やコミュニケーションスキルは薬剤師の転職の幅を広げることに繋がります。
観光立国を掲げる日本には、年間数千万人の外国人が訪れており、その中には日本で医療を受けることを目的としたいわゆる「医療インバウンド」も含まれています。
また、日本の高品質な医療品・化粧品を購入するため、ドラッグストア等へ訪れる外国人は少なくありません。
外国語資格やコミュニケーションを有していれば、こうした外国人旅行者のニーズに対応できるため、病院からドラッグストア、調剤薬局など多様な職場で活かすことが可能です。
資格や経験をしっかりアピールして信頼を得よう!
薬剤師の転職に役立つ資格や経験について紹介しましたが、これらは単に経歴として記載するだけでは十分に評価されない可能性もあります。
資格の取得や職務の経験から薬剤師として具体的に何を学び、採用後にどのように会社のために活かしていけるのかといったことについてまで、深く考えておかなければせっかくの資格や経験が無駄になってしまいます。
薬剤師資格を持つ人が増加し転職の競争も激しさを増してきています。
そのため、他の転職希望者にはないような自分の強みをしっかりアピールして、信頼を得られるようにすることが大切です。